南海トラフ地震は津波の高さが「11階建てビル」並み!?どう逃げる?

南海トラフ地震の津波の高さは「最大クラスの津波」が想定され、

広い地域で甚大な被害を及ぼす可能性があるといわれていますが、

2012年に発表された有識者会議の想定によると、

高知県土佐清水市や、同市黒潮町ではビル11階建てにも相当する

「34m」の津波の高さが予測されています。

1東日本大震災

 

他にも、静岡県下田市で「33m」、東京都新島村で「31m」など、

あくまで「最大」の津波想定ではありますが、東日本大震災の時、

岩手県大船渡市で局所的に「40.1m」の津波が観測された経緯を

踏まえると、決して現実味のない高さではなく、「十分にありえる」

考えたほうがいいでしょう。

 

 

ただ、相手は自然現象ですので予測が難しく、

実際に南海トラフ地震が発生したとしても

「想定より津波が低かった」という結果も起こりえます。

 


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以下は、内閣府・防衛担当の資料より───。

 

この地震・津波の発生頻度は極めて低いものであり、

過度に心配することも問題である

 

最大クラスの津波の高さや津波到達時間が、実際に

避難するに当たって厳しいものであるからといって、

避難をはじめから諦めることは、最も避けなければならない

 

なぜなら、最大クラスの津波に比べて

規模が小さい津波が発生する可能性が高いにもかかわらず、

避難を諦めることで、助かる命を落としかねない

 

やみくもに恐れず、しかし油断はせず。

巨大な津波が発生する可能性はあるのだということを知り、

「正しく恐れる」姿勢が大切なのではないかと思います。

 

 



 

  • 大地震による津波の威力について!

津波の破壊力を知るためには、まず、通常の海の波

津波では「一体何が違うのか」ということを理解しなくては

いけません。

3.11.2

はじめに、普段の海に見られるについてですが、

通常の波は「風」によって起きます。

ですから、動くのは表面だけということになりますね。

 

一方、津波は地震により海底の地形そのものが変動して

発生するため、「海底から海面まで」の海水が動くことになり、

極めて短時間のうちに海水全体に影響を及ぼします。

 

1津波

 

まとめると、

「表面だけの動き」か、「海底から水面までの動き」か───

これが普通の波と津波の大きな相違点です。

 

また、風により海面に起きる表面波のことを「波浪(はろう)」

といいますが、その波長(波の山から山までの長さ)は

数メートル~数百メートル程度で、海面付近の海水だけが

押し寄せるという特徴があります。

 

3津波

 

一方、津波の場合は桁違いで、波長は数㎞~数百㎞以上

にも達します。

 

 

2津波

 

それぞれの波長を知るだけで、両者のスケールの違いが

よくわかるかと思いますが、

簡単にイメージしていただくと、津波「巨大な水の壁」です。

波浪に比べて破壊力が格段に上ということですね。

 

そして、ここで重要なのはその「巨大な水の壁」

に押し寄せると、どうなるのかということです。

 

東日本大震災の時は、津波で多くの人命が奪われました。

そして、その原因は「溺れたから」と思っている方が多いか

と思います。

 

しかし、実際は津波そのものの威力によって

胸や腹を圧迫されたり、

勢いよく流されてきた家、車、がれきなどが

激突することによる原因で亡くなっています。

 

津波の破壊力がいかに凄まじいかを物語っていますね。

 

例えるなら、突然、ダンプカーにはねられるも

同然だということです。

 


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  • 津波対策・・・「事前の備え」が運命を左右する!

さて、津波の威力についてここまで書いてきましたが、

南海トラフ地震が発生した場合、次に知りたくなるのは

「この津波から、どうやって逃げるのか?」

ということだと思います。

 

しかし、その前に大切なことをお話しなくてはなりません。

 

それは、津波から逃げる以前に、怪我をしたり建物に

閉じ込められれば、

そもそも避難すら出来ないということ。

 

大地震が襲来した際、最初の脅威となるのは、

家具転倒や、建物の倒壊などで下敷きになったり、

そこから出られなくなってしまうことです。

 

ですから、津波対策といっても意外かもしれませんが、

最初の一歩となるのは家具転倒防止対策や、建物の耐震補強

といった「事前の備え」になってきます。

 

実際に、これらの対策をしたおかげで事なきを得た

被災者の方もいらっしゃいますので、

「なんとかなるだろう」という考えは今すぐ捨てて、

いつ来てもおかしくない大地震に備え、防災意識

を高めていきましょう。

 

事前の備えについては、「大地震「発生前」に備えるべきもの

を参照してみてください。

 

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  • 津波が来たらどう逃げればよいのか?

いざ、津波が発生したらどのように逃げればよいのでしょうか?

3.11では亡くなった人の90%以上が津波によるものだったので、

これはもっとも重要な課題といえますね。

 

しかしながら、それぞれの地域の特性地形の問題もある

ため、非常に難しい問題であることは確かです。

 

そこでこの項では、津波が来た場合に

「やるべきこと」「やってはいけないこと」

過去の事例を交えて書いていこうと思いますが、

その前に、まずご覧いただきたいのは下図の

「波高と被害程度の関係」です。

 

何メートルの津波で、どのような建物

破壊されるのかが把握できるようになっています。

 

津波波高(m) 16 32
木造家屋 部分的破壊 全面破壊
石造家屋 持ちこたえる 全面破壊
鉄筋コンクリートビル     持ちこたえる 全面破壊
漁船 被害発生 被害率50% 被害率100%
防潮林
  被害軽微   漂流物阻止
津波軽減
部分的被害
漂流物阻止
全面的被害
無効果
養殖筏 被害発生
前面が砕けた波による連続音
(海鳴り、暴風雨の音)
浜で巻いて砕けた波による大音響
(雷鳴の音。遠方では認識されない)
崖に衝突する大音響
(遠雷、発破の音。かなり遠くまで聞こえる)

 

これを参考にすると、高知県土佐清水市など「最大34m」

津波が想定されている地域では、

鉄筋コンクリートの建物でも全壊は免れないようです。

 

また、木造の建物に関しては、南海トラフ地震の津波波高の

想定を参考にすると、

残念ながら各地域で多くの建物が全壊してしまうでしょう。

 

しかし、このようなことを書いても、リアリティを感じられない

というのが正直なところかと思います。

 

普段、何事もない平和な日常を過ごしていると、

「そんなことが自分の周りで起こるわけがない」

そんな錯覚にとらわれてしまうことがありますよね。

 

ですが、防災意識を高めるためにも、敢えて書こうと思います。

 

それは、東日本大震災のあの「荒れ果てた景色」は

“テレビの中の話”ではなく、紛れもない現実だということ。

3.11

過度に恐れるのはいけませんが、自分にも起こりうるのだと

自覚することは、とても大切なことだと思うのです。

 

さて、南海トラフ地震が発生すれば多くの地域で、

大津波から逃げることは必須となってきますが、

大切なのは「そのとき、どう動くか」ということです。

 

過去の教訓から学べることはなんだろうか─────

 

「やるべきこと」

「やってはいけないこと」

この両面から探っていきます。

 

 

1.やるべきこと

岩手県釜石市の小中学生約3千人「津波てんでんこ」

教えを守り、救われた話は、後に「釜石の奇跡」と呼ばれました。

学校

東北に伝わる先人の教えである「津波てんでんこ」

“てんでんこ”とは〈各自〉のこと。

 

つまり、「津波が来たらてんでんバラバラに逃げよ」という意味です。

 

津波発生時には、家族の居場所はバラバラなケースが多いかと

思いますが、緊急時は学校や家族内であらかじめ決めた

「避難場所」に向かって各自がひたすら逃げるのです。

 

釜石の奇跡では副校長が「避難所に走れ!」と指示しました。

「点呼など取らなくていいから」とも大声で叫んだそうですが、

もし、点呼を取って皆をまとめながら避難していた場合、

最悪の結果になっていたかもしれません。

 

事前に避難場所を決め、いざという時はまとまらずに

各自がそれぞれの場所から、とにかく走って逃げるのです。

 

一見、団結しながら避難するのが正しいかとも

思ってしまうのですが、

「津波てんでんこ」はおそらく、団結しながら逃げて

失敗した、先人の苦い経験から来てるのではないでしょうか。

確かに、この教えは非常に合理的だと思います。

 

 

「自分勝手に逃げるなんて・・・」

そんな意見も出てきそうですが、この学校では防災訓練によって

生徒全員が避難所をしっかり把握していました。

 

ですので、「自分勝手」ではなく、あらかじめ決められていた

ことに従い、とにかく各自がそこを目指して必死に逃げたのです。

 

結果、大津波にもかかわらず99.8%の生存率

尊い命が救われた・・・・

 

この事実は「津波てんでんこ」の正しさを証明しているのでは

ないかと思います。

 

というわけで、ここでの教訓から学ぶべきことは、

以下の3つのことです。

 

「事前に避難場所を決める」

「日頃から防災訓練(シュミレーション)をしておく」

「緊急事態には各自がとにかく避難場所に逃げる」

 

 

次は、津波発生時に「やってはいけないこと」

みていきましょう。

 

 

2.やってはいけないこと

「津波てんでんこ」の教えに従えば、

「避難所ではなく、家に向かう」

・・・・これがやってはいけないことです。

 

緊急時は心配で、一刻も早く家族の元へ

行きたくなることでしょう。

 

しかし、釜石での事例をいえば、学校に迎えに来ていた

保護者が、教職員の勧めとは反対に、「児童と共に帰宅する」

という選択をしてしまい、後に帰らぬ人となってしまったという

話があります。

 

そんなことにならないためにも、「とにかく避難所に向かう」

・・・これが重要です。

また、途中で海の様子を見に行くことも厳禁です。

 

ここで、もう一つ大事なことをお話ししておきますね。

それは・・・・

 

「津波は一度では終わらない」ということです。

 

しかも、第一波が最大のものとは限りません。

 

実際3.11では、一度津波が引いて気が緩んだのか、

貴重品を自宅に取りに行って、

津波に遭遇して亡くなった人もいます。

 

ですから、波が引いても安易に自宅に戻ると、

貴重品以上の代償を支払うことになる可能性が

あるのでやめましょう。

 

緊急時は何より「命」こそが大切。

haretasora

津波が襲ってきたら本当に、他は捨てるくらいの

覚悟でいたほうがよいかと思います。

命さえあればまた再起をはかることもできるのですから。

 

 



 

  • 津波が来たら「どこに」逃げるべきか?

逃げ場所については、とにかく高台に逃げることです。

それも、可能な限り・・・・!

釜石の例では、一度避難場所に皆が集まった後、

付近の岩肌が崩れているのを目撃し、教員は

「もっと上に行かなければ」と判断したようです。

 

そして、その判断は「生死の境目」となりました。

 

なぜなら、その避難場所は後に水没したからです。

 

この教訓から学べることはまず、逃げられる範囲内で、

「できるだけ高い場所」を事前に調べ、皆で「避難場所」

あらかじめ決めておく・・・・。

 

そして、緊急時は避難場所に無事到着しても、津波への

警戒心を解かず、危なそうであればさらに高い場所を

目指すといったことが必要となってくるかと思います。

 

また、第2波、3波のことも心配せねばなりません。

とにかく引き返さないことが重要です。

 

もう一つ気がかりなことは、南海トラフ地震での

津波の速さなのですが、

3.11では津波が三陸沿岸に到着したのは

地震発生から約30分後でした。

ですから、時間は少ないながらも余裕はいくらかあります。

 

しかし、南海トラフ地震では早いところで4分後。

逃げるための時間が極めて少ないのです。

 

ですから「事前の備え」「事前の取り決め」の意味が、

ますます重要さを増してくるのではないでしょうか。

 

少しでも早く遠くへ逃げなければならない─────

 

そうであるならば、車の使用を考えるでしょう。

実際、東日本大震災の時は約57%の人が車で避難しました。

 

しかし、愛知県がおこなった南海トラフ地震を想定した

シミュレーションによると、全員が車で逃げた場合、

渋滞で逃げられる人が「最も少なくなる」という結果に

なったそうです。

 

ですから、もし渋滞に巻き込まれたら、車を乗り捨ててでも

走って逃げるべきです。

 

そういったことも踏まえ、避難ルートを「徒歩用」

「車用」に分けるなど、ルール作りに励んでいる

地域もあるようですが、まだまだ、そういった活動は

少ないと感じます。

 

今後は、各地域ごとの避難時のルール作り

防災訓練が必須となってくるのではないでしょうか。

 

 

 

※以下に南海トラフ地震発生時の津波予想を載せておきます。

あくまで有識者会議で「最大値」を想定したものですが、

各地域の津波到達時間津波の高さを参考に、

あなたの「避難場所」を今から模索してみてください。

 

 

 

〈各地の津波の高さ、到達時間〉

 

(左から、地域名・到達時間・津波高)

 

茨城県日立市 1時間29分 4m

茨城県東海村 1時間30分 3m

茨城県鹿嶋市 1時間27分 4m

千葉県銚子市 1時間13分 9m

千葉県いすみ市 50分 9m

千葉県勝浦市 41分 6m

千葉市 1時間49分 3m

千葉県鴨川市 39分 8m

千葉県館山市 31分 11m

東京都 3時間6分 3m

東京都大島町 20分 16m

東京都新島村 12分 31m

神奈川県鎌倉市 34分 10m

神奈川県小田原市 28分 4m

静岡県伊東市 19分 10m

静岡県沼津市 4分 10m

静岡県下田市 13分 33m

静岡市 4分 13m

浜岡原発 5分 19m

静岡県磐田市 5分 12m

浜松市 5分 16m

愛知県豊橋市 9分 19m

名古屋市 1時間42分 5m

三重県志摩市 6分 26m

津市 1時間6分 7m

三重県尾鷲市 4分 17m

和歌山県新宮市 4分 14m

和歌山県串本町 2分 18m

和歌山市 46分 8m

和歌山県御坊市 15分 16m

大阪市 1時間50分 5m

神戸市 1時間31分 4m

兵庫県姫路市 1時間59分 3m

兵庫県南あわじ市 39分 9m

岡山市 3時間21分 3m

広島県福山市 3時間51分 4m

広島市 3時間42分 4m

山口県防府市 2時間3分 4m

山口市 2時間13分 5m

山口県下関市 3時間39分 4m

徳島市 44分 7m

徳島県美波町 12分 24m

香川県高松市 1時間56分 4m

高知県室戸市 3分 24m

高知県高知市 16分 16m

高知県須崎市 15分 25m

高知県黒潮町 8分 34m

高知県土佐清水市 4分 34m

高知県宿毛市 8分 25m

愛媛県宇和島市 29分 13m

松山市 2時間17分 4m

伊方原発 46分 3m

北九州市 3時間30分 4m

長崎県佐世保市 3時間2分 4m

長崎市 2時間28分 4m

長崎県諫早市 2時間45分 3m

熊本県天草市 2時間11分 4m

大分県中津市 3時間8分 4m

大分市 47分 9m

大分県佐伯市 18分 15m

宮崎県延岡市 18分 14m

宮崎県日向市 18分 15m

宮崎市 18分 16m

宮崎県日南市 16分 14m

鹿児島県志布志市 36分 7m

鹿児島県肝付町 28分 10m

鹿児島市 1時間45分 4m

鹿児島県薩摩川内市 1時間34分 5m

鹿児島県枕崎市 1時間13分 5m

鹿児島県西之表市 28分 11m

鹿児島県屋久島町 39分 13m
那覇市 2時間40分 3m

沖縄県名護市 1時間14分 5m